株式を買うことは、株式会社に出資をすること。
株式会社の仕組みや事業に関する用語をおさえておきましょう。
株式会社は、資本主義社会における非常に優れた制度です。
株式会社に関わる基本的な用語を解説します。
■株式会社
株式を発行して事業資金を集める会社。
株主の責任は自分の出資額までに限られる。
事業の利益の一部は株主に還元される。
株式会社における役割は、
お金を使うのが株主、頭を使うのが経営者、身体を使うのが従業員と、
うまく分担できています。
株主は、出資した株式会社が倒産しても、私財を投じる責任はありません。
株主は事業資金を提供、株主総会で経営を託せる人を選び事業内容もチェックします。
会社の所有と経営が分離されています。
なお、有限会社は市場を使わずに資金を集める小規模な会社です。
会社法の施行に伴う有限会社法廃止以前の設立された有限会社は特例で存続していますが、現在は新しく有限会社を設立できません。
■会社法
2006年5月1日に施行された、それまでの会社に関する法律を見直して一本化した法律。
会社の設立や運営の基本を定めている。
会社法の理念は「定款自治」。
法律で許された範囲内なら、定款が法律に優先し、自由度の高い経営が可能。
反面、責任も問われます。
会社法施行前は、会社の利害調整や株主・債権者保護の規定は、商法などに分散されていました。市場や会社経営の環境変化に対応すべく、商法のうちの会社に関する有限会社法や、株式会社の監査等に関 する商法の特例に関する法律等を1つにまとめたものが会社法です。 起業や組織再編に必要な条件が緩和された一方で、コンプライアンスが強化されました。
2014年6月に成立した改正法の施行日は、公布日から1年6ヵ月以内の政令指定日と定められています。「監査等委員会設置会社」制度が創設され、それに伴って現行の委員会設置会社は、「指名委員会等設置会社」に呼称変更されました。
■株主総会
株主によって構成される、株式会社の基本的事項について、株式会社の意思を決定する最高機関。
株主総会は「モノ言う場所」。事業をチェックする重要な会議です。
決して株主向けパーティやイベントがメインではありません。
株主総会で決定する株式会社の基本的事項とは、定款の変更、取締役・監査役の選任、会社の解散・合併などです。定時に、または臨時に開催されます。株主は保有株式数に応じて議決権を持ち、決議は原則として多数決です。
株主総会では、経営者による1年間の事業報告や、株主による質問がなされます。株主は、出資した会社の利益の増減や損失、会社の倒産などの事業上のリスクを最小限に抑えるために、株主総会でチェックをしています。会社のオーナーは株主で、経営者(社長をはじめとする 役員) は株主より委託されて会社を経営します。株主総会は、経営者か ら報告を受け、今後の事業展開について決定を行う場です。
最近は、株主総会と併せて肩の張らない株主懇談会の開催を行う会社や、出席しやすい土曜や日曜にあえて株主総会を開く会社、インターネットで議決権を行使できる会社も出てきています。
■取締役
株主総会で選任された株式会社の経営者。
取締役会を置く会社の取締役は3名以上、置かない会社は1人でも可。
近年は企業統治への意識が高まり、株主の目も厳しくなりました。
取締役は株主に「取り締まられる役」かもしれませんね。
株式会社は、会社の所有と経営が分離する形態が特徴です。
株主が事業資金を提供し、株主が選んだ取締役全員で取締役会を構成し、業務執行の意思決定を行います。とはいえ、中小企業やいわゆるオー ナー系会社では、株主と取締役が同じ人の場合もあります。
会社法では、取締役が1人で取締役会を置かなくてもよくなりました。取締役会を設置する会社では、取締役は3名以上と定められています。重要な業務執行は取締役会で決議します。
代表取締役とは対外的に会社を代表する権限を持つ人で、複数人でも構いません。取締役の職務は、取締役会が監督責任を持ちます。
社外取締役は、取締役会の監督を強化するために、その会社や子会社と過去も現在も直接的に利害関係のない人から選ばれます。2014年6月に可決・成立した改正会社法では、社外取締役の義務付けが焦点でしたが、見送られました。ただし社外取締役を1人も置かない会社は、 その理由を株主総会で説明しなければなりません。
■取締役会
取締役全員で構成される、株式会社の業務執行に関する意思決定機関。
株主総会での決定事項以外のすべてを決定する権限を持つ。
東証1部上場会社の平均では、社外取締役は1社あたり2人未満だとか。
取締役会で外部の監視役の発言力を高めることが課題です。
取締役は、株主総会で選任され、株式会社の株主から経営を委任された経営のプロです。
取締役設置会社では取締役が3人以上必要で、 取締役全員で構成される業務執行の意思決定機関が取締役会です。
株主総会での決議事項以外の業務執行に関することはすべて取締役会で決定するのが原則です。具体的な取締役会の決議事項は、株式譲渡の承認、株式分割、重要な財産の処分や譲渡・引受、多額の借財、株主総会の招集、代表取締役の選任などです。
なお、東京証券取引所は、上場会社に対し、独立性の高い社外取締役を少なくとも1名以上確保する努力を求めています。
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